「おめでとうございます!よかったですね。」
妊娠を医者に確認してもらった時、なんともいえない、そう、足が地から浮くような感じがしました。おなかの中に私達の赤ちゃんがいるんだ!


でもその喜びもすぐに大きな不安へと変わるのです。そう、確か3回目か4回目の受診の時。神様はなんて意地悪なんだろう。もう少し私に幸せな時間をくれてもいいのに!


「私はいつもこの時期に赤ちゃんの首のところをチェックしているのです。ここが浮腫になっているのが分かりますか?3mmが基準といわれますが、丁度ボーダーラインです。」

「ここが3mmより太いと、内臓に疾患を持っていることがあります。それとダウン症であることが。羊水検査をして確認することができますので、よく考えてみてください。」


ダウン症・・・・私には今までまったく縁のない言葉でした。ダウン症?3mm?でもそれって測り方一つでどうにでも変わりそうじゃない?


正直、つわりがきつくて私はゆっくりじっくり考えたり調べたりする力もなかった。羊水検査だって危険がないわけじゃないし、ボーダーラインだというし、なによりもせっかく授かったおなかの中で動く赤ちゃんを自分の手で葬り去る、という前提の検査を受ける意味はなかった。主人が一言、「そんなことできるわけない。」


そうして大きな大きな不安の中、私達は検査をしない決意をし、そしておなかの中に宿る命を大事に大事に育てようと誓ったのです。